1.背景
• 平成28年度において男性の平均寿命は80歳を、女性は87歳を超えたといわれています。
医療の発達に伴い、今後さらに寿命は延び、一説によると
平成62年(2050年)を超える頃には、男性は83.5歳、女性は90歳を超えるといわれています。
• 生命として『生存』する年数が『寿命』であるのに対し、『健康上の問題で日常生活が
制限されることなく生活できる期間』を『健康寿命』と呼びます。
その平均寿命と健康寿命との差は平均値で男性が9年、女性で約12年といわれています。
この期間は『意思能力・判断能力などが欠如しながらも生きていく期間』を意味します。
2.課題と支援の概要
•『健康寿命から平均寿命』の期間において個人差はあるものの、意思判断能力を喪失してしまうと財産の管理や処分といった行為は原則できなくなります。
その最大の原因のひとつが『認知症』です。
今後も増え続けることが予測され、私たちの人生あるいは相続対策を考える際には、この
認知症発症というリスクを必ず念頭に置いておく必要があります。
現在、各所で行われている『相続診断』あるいは『相続対策』では、この視点がすっぽりと抜け落ちてしまっています。
では、どうすればよいのでしょうか?
3.解決方法
•両親のどちらかが認知症発症し意思判断能力が失われる状態になってしまった場合、自宅の管理や処分は大きな問題で、これが最近増え続ける空き家問題の発生の一つです。
家族信託を使った財産の移転を行えば、単に財産を渡すだけでなく、受益者を認知症を発症した親、管理する受託者を子とすることで、親に代わって子が財産処分及び管理を行える仕組みを残すことができるのです。